更新の記事

久々の記事更新をしたいと思う。

最近は全く長い文章を書くことをせず、もっぱらSNSで下品なやり取りに終始してきた。

長い文章――とりわけ、読書の感想文や考察をすることは、自身の論理的思考を鍛えることに繋がる。内容の良し悪しは置いておき、文章を書くことは自分の内面へと深く潜ることと同義である。

 

だから、文章や内容を褒められた時、人は言葉にできない無類の悦びを得るのだ。文章への称賛は、まるで「魂まで肯定された」かのような錯覚をおぼえる。

 

奇しくも作家の村上春樹は小説を書くことについて、「深い井戸に潜るようなもの」と彼独特の比喩(メタファー)を用いて表現した。言い得て妙である。

 

自己の無意識下に潜って取り出した「言葉」は、自分も知らない自分であり、それを他人から肯定されることは『本当の自分を知ってもらえた』ような錯覚に陥る。

 

現代では懐疑的になったマズローの五段階欲求説であるが、自己承認欲求は欲求ピラミッドの最上に位置している。つまり、誰かに認めて欲しい欲求が人間の根底にはある。そして、その欲求には際限がなく永遠に求め続けてしまう。食欲のように満腹で満たされることのない。

 

だからこそ、現代人にとって安易に自己承認欲求を満たせるSNS・ネットは危険な存在である。誰かが「電子ドラッグ」と揶揄したのも頷ける。

そして、私もまた、同じ中毒者である。

 

だからこの記事を書き、誰かに賛同されたいが為に文字を書く。

 

気が向けば、また更新しようと思う。